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以下、簿記の問題です。
yokohamaマンション管理組合は、管理物件にかかる損害保険について、3年間の契約を締結し、
保険料合計424,300円を本日5月14日に現金で一括払いしました。
以下の問いに答えてください。
1年目(当期:令和7年5月14日〜令和8年5月13日)の仕訳を示してください。
2年目(次期:令和8年5月14日〜令和9年5月13日)の仕訳を示してください。
3年目(再来期:令和9年5月14日〜令和10年5月13日)の仕訳を示してください。
1年目(令和8年5月13日)の決算における貸借対照表の表示を示してください。
2年目(令和9年5月13日)の決算における貸借対照表の表示を示してください。
【答え】
【回答】1.1年目(当期:令和7年5月14日〜令和8年5月13日)の仕訳
まず、一括払いした保険料のうち、当期に相当する期間分を計算します。
1年間の保険料:424,300円
÷ 3年 = 141,433.33...円
(小数点以下は通常、会計処理の方針に従いますが、
ここでは便宜上、年度ごとに均等に費用配分します。)
当期の保険料:141,433円
保険料を支払った時点の仕訳:
借方 |
貸方 |
金額 |
前払保険料 | 現金 | 424.300 |
決算時(令和8年5月13日)の仕訳:
借方 |
貸方 |
金額 |
保険料 | 前払保険料 | 141.433 |
【回答】2. 2年目(次期:令和8年5月14日〜令和9年5月13日)の仕訳
2年目の期首には、前期から繰り越された前払保険料を当期の費用に振り替える仕訳を行います。
借方 |
貸方 |
金額 |
保険料 | 前払保険料 | 141.433 |
【回答】3. 3年目(再来期:令和9年5月14日〜令和10年5月13日)の仕訳
借方 |
貸方 |
金額 |
保険料 | 前払保険料 | 141.433 |
* (注:合計金額を調整するため、最終年度で端数処理を行っています。)
【回答】4. 1年目(令和8年5月13日)の決算における貸借対照表の表示
資産の部 |
金額 |
現金 前払保険料 |
△4240300 282.867 |
(注:現金は保険料の支払いにより減少しています。)
【回答】5. 2年目(令和9年5月13日)の決算における貸借対照表の表示
資産の部 |
金額 |
(流動資産) 前払保険料 |
141.434 |
このように、前払保険料は、時間の経過とともに費用に振り替えられ、貸借対照表の資産の部から減少していきます。
保険料などの期間費用を期間ごとに配分する方法として、一般的に以下の3つの計算方法があります。
1. 年割り計算
1年間の費用を計算する際に用います。
計算式
年間の費用=総費用÷契約年数
今回の損害保険料の場合:
1年間の保険料=424,300円÷3年=141,433.33...円
会計処理上、端数処理の方法は企業の会計方針によって異なります。
2. 月割り計算
1ヶ月間の費用を計算する際に用います。年割り計算で算出した1年間の費用を12ヶ月で割る方法と、
総費用を契約月数で割る方法があります。
計算式 (年割りの後):
1ヶ月の費用=1年間の費用÷12ヶ月
今回の損害保険料の場合(1年間の保険料を141,433円として):
1ヶ月の保険料=141,433円÷12ヶ月=11,786.08...円
計算式 (総費用から直接):
1ヶ月の費用=総費用÷契約月数
今回の損害保険料の場合:
契約月数 = 3年 × 12ヶ月/年= 36ヶ月
1ヶ月の保険料=424,300円÷36ヶ月=11,786.11...円
こちらも端数処理は会計方針によります。
3. 日割り計算
1日あたりの費用を計算する際に用います。月割り計算で算出した1ヶ月の費用をその月の日数で割る方法と、
年割り計算で算出した1年間の費用を365日(または366日:うるう年)で割る方法があります。
計算式 (月割りの後):
1日の費用=1ヶ月の費用÷その月の日数
例えば、1ヶ月の保険料を11,786円、5月の日数を31日とした場合:
1日の保険料=11,786円÷31日=380.19...円
計算式 (年割りの後):
1日の費用=1年間の費用÷365日(または366日)
1年間の保険料を141,433円とした場合:
1日の保険料=141,433円÷365日=387.48...円
(うるう年の場合は366で割ります)
会計処理における考え方
一般的に、保険料のように期間にわたって効力が及ぶ費用は、その期間に応じて費用配分を行います。今回のように3年契約を一括払いした場合、
前払費用として計上し、時間の経過とともに各期の費用に振り替えていくのが原則的な考え方です。
問題では、1年ごとの費用を単純に年割りで計算しましたが、より厳密には、契約期間の日数に基づいて日割り計算を行い、
各会計期間に該当する日数を乗じて費用を算出する方法もあります。
どの計算方法を採用するかは、重要性の原則や継続性の原則などを考慮して、管理組合や企業や団体の会計方針に基づいて決定されます。
2025/09/12(金) こんにちは。島子島太郎です。